幼なじみじゃイヤなんだ。
近すぎる距離、

流瑠の言葉、

私の肩に触れるその手、





そのすべてが私の心臓をおかしくさせる。





私、顔赤いかも、っていうより、真っ赤かも。


それを隠したくて俯いてしまう。






「桜、こっち見ろ」






流瑠の少し苛立った様な声が聞こえた。




その声に観念するようにゆっくり顔を上げる。



私の顔を見て流瑠が一瞬目を見開いた。

そして、その後すぐ眉間に少し力を込めて言った。






「じゃぁ今日、2時以降には学校にはいなかったんだよな?」


「う、うん」






2時以降…?


流瑠の不思議な質問に戸惑いながらも、部活は1時過ぎには終わっていたので、さっきの嘘に合わせてそう返事した。




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