幼なじみじゃイヤなんだ。
「ねぇ、大石とケンカしたの?」





早苗が心配そうに私の顔を覗く。


流瑠への想いを本人に話さないと決心した私は、この想いは誰にも話さないと決めた。



でも、いつも私のことを心配してくれる早苗に隠すと言うのは正直辛い。






「うん、まぁね。ごめんね心配かけて」


「じゃあ、今日帰って来たら仲直りしなよ?なんか最近変だもん。あんた達…」





気付いててくれてたんだ?





「うん、そうするね。それより、早苗はマサくんと夏休みどこか行くの?」


「マサが海に行こうって言ってた」


「マサくんってば、早苗の水着目当てだね」


「うーん。やっぱそう思う?」


「思う。思う」


「桜は大石と水族館行くんだよね!」


「え?…う、うん…たぶん?」


「……」





流瑠覚えてるかな?

水族館デート。




流瑠とデートの日にちを決めた日のことを思い出すと胸がギュッと痛んだ。




その時、私の隣に人の気配を感じてそちらを見上げる。

意外な人物に、固まってしまった。





「相澤さんちょっと話があるんだけど、いいかな?」




そこには雪見さんが立っていた。
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