幼なじみじゃイヤなんだ。
サッカー部の合宿に同行していたはずの雪見さんが目の前にいる。




サッカー部はもう帰ってきてるの?

思わず教室を見渡してしまう。





「誰、探してるの?」





雪見さんが無表情のままそう言ったのを聞いて、我に返った。





「あ、ごめん…」



「話があるって言ってるんだけど?」





そうだった。

でも、彼女に『話しがある』なんて言われると緊張してしまう。




それは私だけではなく、早苗もそう感じているみたいで。


私と雪見さんの顔を交互に見てる。





一体何の話し?


雪見さんとの共通の話題なんて……。





あ!?





「…もしかして!流瑠になにかあったの?怪我した?熱出した?大丈夫なの?流瑠は今、どこにいるの?」





思わず椅子から立ち上がり、大きな声を出して、雪見さんに詰め寄った私を、早苗や、教室に残っていたクラスメートら全員がびっくりした様に振り向く。



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