幼なじみじゃイヤなんだ。
ライバルって…

頑張れって…





「早苗・・・私の気持ち知ってたの?」


「当たり前でしょ!バカ!なんであたしにまで隠すのよ!あんたが好きな相手だよ?いつも一緒にいるあたしが気付かないわけないでしょ!桜が自分の気持ちに気付くよりも先に、あたしは気付いてたっていうのよ!」





早苗は「私を見くびらないでよね!」とハッと鼻で笑った。





「ごめんね…言えなくて…ごめんね」





いつも、心配してくれるのに…

私が流瑠への想いに気付いていない時も、相談にのってくれていたのに…




ごめんね。




そう思いながら早苗に抱きつく。


早苗がよしよしと頭を撫でてくれた。



早苗が知ってくれていたと思うと心の中がまた軽くなる。





「…ねぇ?あたしもうちゃんと謝ったし帰っていいかな?美しき友情に付き合ってる暇もないし…1年生部員のバスもそろそろ着くし」





雪見さんが、私達の行動をあきれたように眺めながらそう言った。


うん。と言おうとした私よりも先に口を開いたのは早苗。





「ちょっと待ちなさいよ!!」


「何よ?」




雪見さんが面倒くさそうに早苗を振り返る。



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