幼なじみじゃイヤなんだ。
早苗がハッと我に返る。




「は!?はい!?し、失恋したですってぇ!?」




目を見開いて詰め寄ってくる早苗に私がたじろいでしまう。





「う、うん。失恋した。ゆ、雪見さんは知ってる…」





早苗の顔が怖い…





「は?あたしが知ってるって?何を?」





雪見さんが不思議そうな顔をする。

雪見さんは知らないはずがないのに…





「私、流瑠と雪見さんが話しているところ、偶然聞いちゃったんだ。流瑠、好きな子いるって、私のことはただの幼なじみだって言ってた」





早苗はびっくりし過ぎたのか、目を見開いたまま停止している。


雪見さんは「あぁ、あれ聞いてたの!?」とびっくりした声をあげた。
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