幼なじみじゃイヤなんだ。
「あ、うん。ケンカというか、上坂くんとのことから始まって言い合いした」


「上坂?」






早苗が首を傾げる。

そして、雪見さんが「あ!!」って声をあげた。





「それって!相澤さんが、あたしと大石くんの会話を盗み聞きした日のこと?」


「え?あ、うん」


「なに?雪見さんなんか知ってんの?」





早苗が怪訝な顔で雪見さんを見てる。





「うん。その日、相澤さんってば上坂くんと抱き合ってたのよ」


「な、なにぃ!?桜!本当なの?」


「いや!ち、違う!!抱き締められた。けど、抱き合ってはいないよ」


「なにされてんのよ、桜!まさか、正直にそれを大石に報告したわけじゃないでしょうね!」






早苗は怒って「嘘も方便なのよ!」と付け加えた。

そう言えば、流瑠はなんで知ってたんだろう?と疑問を抱いた時、雪見さんが口を開いた。






「あ、それあたし。あたしが大石くんに電話で報告しておいた」


「なっ、なんで!?」


「えーだって…あの時はまだ、邪魔する気満々だったもん」





雪見さんがそっぽ向いてボソッと呟いた。





「な!なんてことしてくれたのよ!!それに、さっきこのことに関して、謝ってなかったじゃない!!」


「だって、これは事実を見たまま伝えただけだもん。嘘は吐いてないし、あたしは悪くない」



「いい性格してるわね…」


「どうも…」





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