幼なじみじゃイヤなんだ。
「あ、上坂くん…」


「相澤さん今帰り?どうしたの怖い顔して?」


「え!?怖い顔?」


「うん。眉間のとこ、しわ寄ってる」


「本当に!?」






流瑠と会うことに、気合を入れ過ぎたせいなのか、どうなのか?



今から会いに行こうとしてるのに眉間にシワはマズイ!


そう思って眉間のしわを伸ばすように指でこすってみる。






「ははっ!変な顔になってるよ。どうしたの?もしかして、サッカー部が帰って来たのが原因?」





今日も、上坂くんの勘は冴え渡っている。






「……う、うん。今から流瑠のところに行こうと思って…久しぶりだから緊張してて」


「…っていうか、合宿前から2人、ギクシャクしてなかった?」






バ、バレてた…。





「そ、そんな事ないよ?」


「もしかして、僕が相澤さんの事を抱き締めたせい?」





上坂くんが私をジッと見る。





「上坂くんのせいじゃないよ。」





確かに上坂くんとのことがきっかけで始まった言い合いだった。



でも、流瑠に嘘吐いたりヤキモチやかせたくなって変なことを言ったりしたのは私だから。






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