幼なじみじゃイヤなんだ。
流瑠がムッとした顔をこっちに向ける。





「なにじゃないよっ!!手が放れないっ!!」





私も負けずにムッとした顔を流瑠に向ける。





引っ張ったけど、

振ったけど、

流瑠の手を叩いてみたけど、



放れない!?




せっかくさりげなく手を放そうとしたのに、流瑠が逆に手をギュッと握り締めたから。

私の努力も空しく彼女達に見られてしまった。




彼女達はもうすでにコソコソと私達を見ながら囁き合っていた。

絶対噂になる。



“やっぱり2人はつきあってる”って噂になる!








「放さなくていい」


「へ?」


「堂々と繋いでればいい」


「なんでよ!噂になるよ?すごい勢いで駆け巡るよ!そしたら流瑠は困るでしょ?」






流瑠を見上げて勢いよく言った。




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