幼なじみじゃイヤなんだ。
みんながだんまりを決め込んだ所だった。





「僕がやります」





その声にみんなが振り向く。


よく見えなかったけれど、教室の一番後ろの席に座っている1人の男子が手を挙げていた。




クラス中がザワザワする。




男子からは「やった!」と安堵の声。


それに混じって聞こえてくるのは、「何かあいつ変わった奴だと思ってた」。



せっかく立候補してくれた人に対して、ひどいこと言うよね…。




でもすごいなぁ。立候補するなんて。


私には絶対出来ないや。





「よし、上坂。前期よろしく頼むな」


「はい」





先生の言葉に、彼が小さな声で返事した。


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