幼なじみじゃイヤなんだ。
見つめ合ったまま数秒……。




「ふっ……」


「え!?流瑠、なんで笑うの?」


「だって『困りません!』って」





流瑠が必死に笑いを堪えながらそう言った。





「なんで、敬語なんだよ」





目に涙を溜めるほど、笑いを押し殺している。





「ちょっと待って…人が必死の覚悟で言ったのに…なに笑ってるのよ!」


「わかってる。わかってるから。堪(こら)えてるだろ?」


「なんか余計失礼だってば…」


「そう?それなら……」






そう言った途端、流瑠はブハッ!と吐き出すように笑った。


本当に本当に久しぶりに見る全開の笑顔に、悔しいほど目が奪われる。







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