幼なじみじゃイヤなんだ。
「キスしようとして桜を怖がらせたこと、俺の気持ちを聞きたくないって言った時の桜の顔」





ううん。もっと、





「桜のそんな顔思い出したくないのに、毎日、毎日、あの日のことを思い出してしまってたんだ」





もっと近付きたいから。





「そんな日を何日か過ごしていると、桜の言葉の矛盾にひとつ気付けたんだよ」





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『桜は俺にとって妹なんかじゃねぇよ。子ども扱いなんてしてない。それをキスしてわからせたかった』


『なに言ってるの、流瑠。キスは好きな人にするもんでしょ?幼なじみの私にするもんじゃないよ…』



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「“俺の好きな人=桜”だっていうことを桜はわかってない。って気付いたんだ」


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