幼なじみじゃイヤなんだ。
「あ…」


「あの日は俺もテンパってて、矛盾になんてちっとも気付いてなかった」





流瑠は苦笑する。





「それに気付いてから、いろんなことが見えてきたんだ。桜が、雪見と俺の会話を途中までしか聞いてなかったことに気付けて、最近の桜を思い返してみて、もしかして…って」



「…」



「だから合宿から帰ってきて、桜が俺に言ってくれた一言で確信出来た」




──────
  ──────



『俺と噂になったら桜が困るのか?』

『こ、困りません!ちっとも!』



──────
  ──────




「俺のこと好きになってくれてたんだって」




流瑠はいつだって、私を守って、大切にしてくれる。



私はいつもその優しさに包まれて、守られてきた。




だから、私が流瑠を好きになったのは当然かもしれない。


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