幼なじみじゃイヤなんだ。
なかなか手を離さない私を心配したのか、流瑠が口を開いた。



「大丈夫?」

「うん、平気だよ」

「そっか?」

「心配?」

「…まあな」

「素直だねぇ。今日は」

「……お前なぁ。心配してやってんのに」



分かってる。ごめんね。


照れちゃって、素直に言葉で表現出来ないのは、私も一緒。


“まだ離れたくない”


その一言が言えない。





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