幼なじみじゃイヤなんだ。
「桜、おはよう!」


「あっ……早苗…はよー」





早苗は羨ましい程、元気だった。





「大丈夫?疲れが滲み出てるけど?」


「やっぱり?」


「うん。だいぶ、ね」


「うん。でも大丈夫。忙しいのは今日までだから。明日はテスト前で部活もないし。寝続けるから…」


「1週間後、テストか。桜、テストの方は大丈夫?」


「…聞かないでぇ……」






流瑠に宿題を任せている私が、テストに自信満々な訳がない。





「そっちも忙しいの?」





早苗が私の持ち物を指さして言う。





「そう。7月頭の文化祭で演奏会があるからね」





私が持っている物はフルートのケース。

私は中学の時からフルート担当。




だから慣れてはいるけれど、高校の楽曲は中学校の時の物より随分高度。






「委員会に部活か、頑張んなよ」


「ありがとう。」


「そういや、上坂とも随分打ち解けたじゃん?」


「うん。少しずつ話してくれるようになってきたよ」


「でも、まだ何か謎めいてるヤツよね?」


「ははは…」





まぁ。その通りなんだけれどね。


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