みんなが好きだから、
「俺らなら、いけるとおもう。」
その瞬間、教室は静まり返った。
みんなが手にしている、進路希望調査。
高校で、人生がほとんど決まってしまう人もいる。
みんな将来に向かってくための道を自分たちで選ぶのだ。
すると、桜井亮は言った。
「北野。」
「あ?」
「俺は、先生の意見を尊重すべきだと思う。」
「な、」
北野は固まった。
「なんで、だよ。ここにいる全員花ヶ咲を希望しているんだぜ?」
「いいや。みんな、考え方が甘いんだよ。」
桜井は、ため息をついた。
すると、黒板に文字を書き始めた。
「高校を選ぶ基準というものがあるんだ。」
桜井は、
校風
と書いた。
「学校によって、校風というものがある。荒れている高校っていうのをよく聞くだろ?それとかまじめな学校とかな?そういう校風っていうもんもあるんだ。」
そして、
教育方針
と書いた。
「たとえば、真壁高校は勉強学校だ。部活より大学進学を目指すタイプの高校。それと南坂高校は部活優先の学校。だから少し偏差値も低め。それと花ヶ咲みないな両立かつ、上を目指す学校。いろいろな学校があるんだ。」
みんなは真面目にきいていた。
こんなに高校なんてまだ考えていなかったのだ。
「そんなことまであるんだ。」
思わず口にだしてしまった生徒もいた。
「まあ、あとは自分の学力とよく相談したほうがいい。公立は一発勝負だからな。設備とかの関係で私立に行きたかったり、部活の強豪チームに行きたいとかでスカウト来てる生徒もいるだろ。」