みんなが好きだから、
「でもよお。」
帰宅途中、北野は健太に言った。
「俺はな、今みんなバカだけど、これから上がってくる奴とかいると思うぜ?」
「お前と南だけだろ・・・バカは。」
「いやいや、南と一緒にするなよ!」
同等だよ、と健太は冷たく言った。
「つーかさ、高校高校って・・・俺たちは修学旅行ってもんもあるじゃんかよっ!」
「ああ!そういえばっ!」
忘れてたのかよ・・・
と北野は思った。
「修学旅行までに彼女ほしいな~。」
北野は切実に思った。
「お前じゃ無理だよ」
健太は笑った。
「でもよ、葉月ならできるよなあ。」
葉月夏。
クラス一番のイケメン。
運動神経もよくて、明るいクラスの人気者だった。
「ああ、葉月さ。相模と仲いいじゃん?アイツら流れで付き合うよな!」
「相模はだめだよ。マドンナだからな!」
「お前妬くなよ~。」
北野は笑った。
「妬くかっ!」
そうだ。
修学旅行だ。
とおるは思った。
修学旅行って奈良と京都!
なんてすばらしいんだ!
しかも二泊三日とはただ事じゃないぞ!