みんなが好きだから、
この学校にはクラス替えというものが存在しない。
なので、三年間の中学校生活一緒のメンバーで入学し、卒業を迎える。
そして、3-B。
先ほど単純と言ったが、
その象徴が彼らだった。
入学式が終わってから、学活が始まった。
「ったくよーなんで入学式に俺らもでなきゃなんねーんだよー!」
と机につっぷして叫んでいるのは、北野とおる。
彼はクラスでも明るい人間だ。
「まあ仕方ないだろ。そういう行事なんだし。」
と星野健は言った。
「ていうか、受験だな・・・。」
と吉田翔が萎えた。
「それ言わないでー。」
と、南まどかが耳を塞いだ。
そう、受験。
中学三年生の避けられない壁だった。
「みんな志望校とか決めてんのー?」
ととおるが尋ねた。
「私は、バカすぎていける高校ない。」
とまどかが、苦笑した。
「まあ確かに。」
ととおるが言った。
納得するなー!とまどかが蹴りを入れた。
「もちろん、亮は決まってんだろ?」
と、吉田翔が尋ねた。
桜井亮はうなづいた。
「やっぱ天才は違うな~意識が高いもん。」
と坂香奈、通称さかなが言った。
「で?どこ?」
とおるはまどかに蹴られた足を抑えながら聞いた。
「花ヶ咲。」
「は・・・ながさき。」
クラス全員驚いた。
花ヶ咲といえばかなりの進学校だった。
「まあ・・・学年トップの成績だもんな。」
と佐藤健太は納得した。
「南と違って。」
ととおるが余計なことをいったので同じ箇所をまた蹴られた。