みんなが好きだから、

授業中、まどかは外を見ていた。

グラウンドで隣のクラスがサッカーをしている。

・・・私の青春なんだったんだろう

まどかは無意識にため息をついていた。

そしてふいに葉月をみてみた。

隣の相模は、まじめに授業をしていた。

葉月も。

なのになぜか切ない。

ただ隣にいる相模をみるとせつなくなる。

そして当たり前な二人にいらだつ。

「長く続くといいね」

なんてきれいごとだった。

ホントは早く別れてしまえばいい。

喧嘩すればいい。

なんて思ってる。

けれど・・・

友達。

どちらも友達だった。

だから応援しなきゃいけないのかな?

なんて思った。

けれど自分の感情もあったのだった。

別れてほしい。

葉月はみんなのものなのに・・・!

いや、なんで相模なの?

どこが違うの?

まじめのほうが好きなの・・・?

まどかは授業中にも関わらず泣きそうになってきた。

すると、目線を感じたからか葉月が振り返った。

「あ。」

思わず口に出してしまった。

葉月は、まどかが目が赤いのに気付いたらしい。

でも、葉月は黒板にまた目を戻してしまった。
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