みんなが好きだから、

「いよいよ修学旅行前日だ。」

松本も実のところ楽しみだった。

「俺は二回目の京都だが、奈良は生徒が熱出してこっちまで戻っていけなかったんだ。」

「うっわ。不運。」

とおるは笑った。

「いいか。絶対体調不良になるな!あと集合時刻を守れ!それとなあーーー」


松本は長々と修学旅行の注意を言ったのだった。






「松本先生話長いよねー。」

陽子はわらった。

「そうそう。そこまで言わなくても・・・ってね。」

「でもBのことだし、またなんかやらかしそうじゃん。」

中村桜はため息をついた。

「まあねー。つーか、今日まどか最近元気なくね?」

さかな こと 坂香奈は心配してまどかを見た。

「あぁ・・・確かに。」

桜も言った。

「何かあったんじゃないの?」

「もしや・・・失恋?」

さかなは、声を小さくしていってみた。

桜も陽子も驚いた。

「ま、さか。まどかってそんな落ち込むタイプじゃあないよ・・・。」

陽子は不安げに言った。

「クラスの前では明るく振舞ってるけど・・・」

桜も心配した。

「聞いてみよう?」




「まどかっ!」

帰り道 桜はまどかを呼び止めた。

まどかは死にそうな顔でこっちを振り返る。

桜は思わずギョッとした。

まどかはそんな桜の顔をみてあわてて笑顔を作った。

その笑顔はぎくしゃくしていた。

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