みんなが好きだから、
「・・・まどか?」
「どうしたのっ?」
まどかは無理に明るく振舞っていた。
「いや・・・元気そうだね?」
思ってもいないことを桜は言った。
「おうっ。まあ明日は修学旅行だし?テンションあがりまくりだよっ!」
「・・・。」
そんなまどかを見て桜はなんだか悲しくなってきた。
まどかは桜を見上げた。
桜はまどかよりずっと背が高い。
「・・・さくら?」
まどかは不思議そうに桜をみた。
「・・・何があったのよ。」
桜は優しく尋ねた。
「え・・・?」
「まどか、暗いじゃん。陽子も香奈も私も心配したんだよ?」
「・・・さくらっ」
まどかは桜の腕の中にすっぽりおさまっていった----
「失恋かあ。」
公園で桜は空を見上げながら言った。
「そう。しかも皆子だし、なんか・・・。」
「でも皆子美人だし、男子にも人気あるじゃん?」
「私だってさ・・・・。」
まどかはふくれた。
「まぁ・・・そのさ、恋愛に興味ないっていう心は人間だし変わっていくものなんじゃないかな?」
「・・・。」
「告白してふられたまどかは悪くない。」
桜は言い切った。
「だけど、振った葉月も今付き合ってる二人も悪くない!」
まどかに笑顔を向けて桜はまた言い切る。
「まどかのつらい気持ち。肌身に感じてるよ?同時に、葉月だってすっごく悩んだと思うよ?」
「・・・え?なんで・・・?」
まどかは意味がわからなかった。
なんで葉月が悩むの?
「だって、まどかにそう言っちゃったのに皆子のことが好きになっちゃって、抑えきれなくて付き合いたいなって思ったからよ。」
あぁ・・・
「つらいのはまどかだけじゃないよ。」
桜がきつく行ったのでまどかは少し不愉快に感じた。
「だけどさ」
桜は立ち上がって言った。
「つらいのは、分け合おうよ!」