みんなが好きだから、
健太の言葉にクラス全員静まり返る。
松本は、うつむいて肩を震わせていた。
「・・・ご、ごめんなさい!」
北野はシートベルトに縛り付けられたま謝った。
「・・・運転手さん。次の休憩所で止めてもらえますか?」
B組だけ早めに休憩を取ることとなった。
弁当をバスの中で食べている。
・・・だがそれは、北野と松本以外の人間だ。
「ごるぁぁっぁぁぁぁああああ!」
松本の声は罵声だ。
「お前は取り返しのつかないことをしやがって!」
「だから謝ってるじゃん!」
「教師にタメ口きくな!」
松本は上から怒鳴りつける。
近くを通る人は
「あんな教師まだ存在したんだねー。」
と言っていた。
バスの中からふたりを観察している人もいた。
「お前、南に土下座しろ!」
「なんで?!」
「決まってんだろ!お前最低なことしたんだぞ!」
松本の顔の変化に北野は気づいていない。
これはマジ顔だ。
「東京駅にいくまで電車だと何時間かかると思ってんだ?」
「さあ?」
松本はため息をついた。
「二時間だぞ?」
「なんだ。二時間か」
北野は軽く笑った。
「はあ?ふざけてんのか?五時集合の二時間前は何時だ!!!」