みんなが好きだから、
松本は、弁当を暗く食べている生徒に尋ねた。
「共犯はいねぇのか?」
さらに静まりかえる。
「見てて、止めなかった奴いねぇのかって聞いてんだよ!」
運転手は静かにバスを降りて行った。
「いいから名乗り出ろ。」
いることはわかってんだ。
あいつは一人であんなことできる勇気のあるやつじゃない。
共犯がいるんだ。
・・・すると。
鈴木希。
小心者で、クラスであまり目立たない存在の彼女が手を挙げた。
「・・・ごめんなさい。先生。」
松本は正直驚いていたが顔には出さず努力した。
「私、北野君が誰かのパンフレット持ってきてそれに書き換えてるのみてたのに・・・っ」
鈴木希は涙があふれていた。
「ほんと・・・最低です・・・。」
隣の陽子がハンカチを差し出す。
だが。
「小森。その必要はない。」