みんなが好きだから、

そういって相模皆子はプリントを配った。

「うっわー。いきなりかよー。」

とおるは嘆いた。

「まあこれが受験生ってことだな。」

健は言った。

プリントはお堅い感じだった。

「これ絶対野崎先生が作ったよな~。」

と翔は笑った。

クラスのみんなも

「だよねー。」

と共感していた。

野崎先生は授業のプリントもこんな風に堅苦しく作るのだった。

そして、それぞれの進路を書き始めた。





進路調査票を回収して相模皆子は、また職員室に戻った。

「サガミナ忙しいよな~。」

ととおるが感心した。

「俺、サガミナを尊敬してるよ。リアルに。」

「お前が相模みたいになれる日はきっと来ないだろ。」

と健は笑った。

「それ、あたしも同感!」

とまどかは笑った。

「いや、まどかもだよ・・・。」





そして、担任の松本浩治が相模と一緒にクラスに入ってきた。

「ひゅーひゅー」

とふざけてとおるは言った。

「オイこら。」

と松本が指摘した。

「俺がかわいそうだろ。」

と松本は言った。

「それある意味ひどくないですか?!」

と相模は叫んだ。

「そうだそうだー!かわいそうなのはどっちかっていうとサガミナだよなあ~。」

と、とおるは爆笑した。

松本先生は面白いのだ。

「北野が初めに言ったんでしょ~?」

相模は睨んだ。

「ゴメンナサイ・・・皆子様・・・。」

「よろしい。」

相模は席についた。

「まったく、北野は変わらんな。」

松本先生は笑った。

みんなはうなづいた。

「大人になってもこんな感じだろうな!」

みんなは激しく同意した。

「いいや!俺は天才になるっ!」

とおるは、立ち上がっていった。

でも・・・

その瞬間・・・しらけた。

「はい。先生、話しましょうか。」

と健太が切り替える。

「よし、じゃあみんな学活を始める。」

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