みんなが好きだから、
号令係の菊大輔が号令をかけた。
今日は、おもに三年生の心得についてだった。
「まず、この第一中のトップになったわけだ。」
松本は言った。
「そして、この学校の顔になる。」
「せんせー!顔って誰の顔ですかー?」
ととおるが言った。
「バカか!顔が人間の顔だと思うか!ふつう!」
そして、松本先生は話を続けた。
「これから修学旅行や地域学習など、学校からでて行動することがたくさんある。その中でも、北野とおるのようにバカではいけない。」
みんなクスクスと笑った。
「三年生、まだ学校の顔として相応しい行動をとれ。」
「はーい。」
「また、受験の学年でもある。」
すると一斉に騒々しくなった。
「オイオイ。お前らなに急にうるさくなってるんだ。」
松本先生はあきれた。
「だって、先生俺らバカですよ~。」
「このクラスの平均点下げてる、北野と南以外は大丈夫だ。」
「いやいや、絶対隠れバカいますって!」
「んなわけないだろ。」
「そうよ。このお馬鹿さん。」
仲野琴美は笑った。
「ああ?なんだと顔面凶器!」
「それが女性に言う言葉!?」
琴美はとおるに叫んだ。
「ああ事実だろ!」
「とおる!それはひどい!」
中村桜はとおるに言った。
「はいはーい。すいませーん。」
「反省の意なし。」
琴美はあきれた。
「だいたい、このクラス全員で同じ高校行こうねーなんてばかみたい。」
琴美は薄く笑った。
「花ヶ咲は、県内トップの進学校よ?まず自分の実力がその程度になってから語ってほしいものだわ。」