みんなが好きだから、

とおるは、家に帰ってさっそく机にむかった。

「ぜってー見返す・・・!」

そう言ってシャーペンをペンケースから乱暴に取り出した。

学校指定のワークを開いた。

開いているのは中学一年生のワークだった。

とおるは、ワークを終わらせたことがなかった。

宿題以外はほとんどやっていない。

とおるは、最初はすらすらと解いていた。

・・・だがしかし。

ページが進むにつれてスピードは遅くなり・・・

「もう無理。」

と一時間であきらめてしまった。

「でもまあ、俺なりには頑張ったな~。」

と自分で自分をほめた。

そして4ページ進んだワークをニヤニヤとみた。

「俺もやりゃできる。」

と確信した。

そして、ケータイを取り出した。

メールが来てるかチェックした。

「・・・来てない。」

でもこれがいつものことであった。

なので、とおるはゲームをすることにした。




とおるは、今日のことを考えた。

『みんなで一緒の高校にいこう』

それは自分が発した言葉だった。

とおるは、バカなこと言ったな~

なんて思ってなかった。

むしろ

「いけるんじゃね?」

と思っていたのだ。

自分と南が学力があがったら、いける。

そう思っていた。

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