お笑いという名の魔法
俺は谷田さんの表情や
言葉を聞くたび不思議な気持ちになった
谷田さんや作業していた人たちの
すべての表情や言葉ひとつひとつに
悲しみの影が隠れていたのは
はっきり分かった
だから
口から出る言葉は全部安っぽくて違って
下手に言葉も返せなかった
この人を傷つけてしまうかも
あのおぞましい記憶を
思い出させてしまうかもとか...
そんな思いばかりが俺を取り巻いた
そして今を真剣に一生懸命生きてる人に
今笑いを届けていいのかと思った