---夕焼け色---


佐藤佳奈・・・

今の俺の彼女



佐藤はとにかく優しかった

母親っぽい感じで・・・

将来は絶対に良いお嫁さんって感じ




俺が佐藤と仲良くなりだしたのは

小6の夏休み 公園でだった

公園で一人ぼっちで泣いている佐藤を見て

俺は声をかけてしまった



佐藤には父親と母親がいないらしい

近くの親戚の家で暮らしてるという

その家族は 

みんな佐藤のことを悪く言っていた



「もう、嫌なんだ・・・

 あの家にいたくない。

 お母さんとお父さんは・・・

 天国で、きっと私を待ってる。


 ・・・・・あたし、死にたい」



公園で佐藤はそう言った

俺はしばらく 何も言えなかった


死にたいって言葉は

ただテレビの中だけのセリフだと思ってた


だけど 違った


目の前でその言葉をきいた



ちょうどその日の1週間前に

俺のおじいちゃんが亡くなったばかりだった

死ぬことが・・・

どれだけ悲しいことか

どれだけ大きいことが


俺は少し わかっていた



< 11 / 31 >

この作品をシェア

pagetop