---夕焼け色---



「・・・幼なじみだから心配なんだよ

 お前のこと・・・」



野宮は何かを言いかけて、止めた

野宮の眼は悲しそうだった

無理してるように見えた




「・・・どしたの?野宮・・・」



心配なんだよ、という言葉で

私はまた嬉しくなっていた




感情の移り変わりが激しいな・・・私





「・・・ううんなんでもない」




「・・・そ。

 ねえ、もう教室はいろっ」




野宮は少し悲しげな表情だったけど

私は野宮の手を引いて教室につれた






「野宮の席は~・・・

 あ、私の隣だねっ」



さっきは気付かなかったけど・・・

なんと野宮は私の隣!!☆

すごい・・・

嬉しい







野宮と私が席に着くと

また翔が後ろを振り返ってきた






「あ、奈央。

 隣の人は誰?」



「さっきの幼なじみっ」



「あ・・・野宮っていうんだ。よろしく」



「ふうん」






翔は前に向きをなおした








気のせいかな?

翔が野宮をにらんだのは・・・




気のせい、だよね




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