先輩と私と彼と。
先輩を好きになってから既に一年が経過している。
もう、一年…
ぼんやりと、一年前のことを思い出す。
***
「綾、バスケ部の見学行こう!」
入学してすぐに。
中学生の頃から友達である柚希に声をかけられたのがきっかけ。
ちなみに綾というのは私のこと。
綾瀬知穂、それが私の本名。
知穂と呼ばれるより綾と呼ばれる方がなんとなく好きだから、そう呼んでもらっている。
話を元に戻して。
正直バスケ部に興味は無かった。
だけど、うちの学校はバスケ部が強いことで有名で。
練習や試合が見れたらいいな、
なんていう軽い理由で見学することを決めた。