先輩と私と彼と。
時計を見てみると、針は授業終了5分前をさしていた。
あとちょっとで昼休みだ…
気持ちだけはもう昼休みに達していた。
私、柚希、茉由、結子の4人で机をくっつけ、お弁当を食べる。
柚希とは高二になってからも同じクラスで、
後の二人は今年から一緒。
すごく仲が良いし、会話が弾む。
「そーいえば」
私はふいに思い出した。
今日は学校の近くのドーナツ屋さんで、新作ドーナツを買ってきたんだった。
袋からドーナツを取り出すと、3人から歓声があがる。
「おいしそう」
結子が微笑みながら言った。
「今度みんなで食べに行こう!」
なんて、きゃっきゃと騒いでいると。
「おい、桐原!」
ドアのほうから声がした。
クラスにいた半数以上がドアを見る。
もちろん私も同様。
そこには、高三のバスケ部の先輩たちが四人いた。
「瀬川先輩もいるじゃん」
柚希が小さく呟いた。
ドーナツを手に持ったまま。
私の目は先輩達に釘づけになる。