One Night Lovers
2.今夜限りの恋人
ホテルにチェックインし、部屋に荷物を運び入れ、くつろぐ暇もないまま夕食と温泉入浴を済ませた。
夜9時にトシユキとケイゴの男二人と待ち合わせしていたからだ。
メイクをし直して、旅行バッグを開きながらネネは唐突に言った。
「私、今夜は帰らないから」
「帰らないって、どうするの?」
「トシくんの部屋に行く」
真剣な顔でそう言い放ち、ネネはメイク道具や最低限の着替えを小さなバッグに詰め直す。これは本気だ。
「え、私はどうなるの?」
つい母親に置いていかれる子どものような心境になった私は弱々しい声でネネに言った。
忙しく荷物を詰め替える手を止めて彼女は私を見る。
「好きにすれば? この部屋使ってもいいし」
「つ、使う……?」
「トシくんたちもツインの部屋なのかな? だったらケイゴくんの寝るところがないじゃない」
あっさりと言うネネの顔を私はまじまじと見つめた。
「私、別に彼とは……」
なぜか言葉がしどろもどろになる。私を見返すネネの顔から笑みが消えた。
「ぶっちゃけ、私はケイゴくんもいいって思った。いや、トシくんよりむしろケイゴくんのほうが好き。顔も好きだしシャイなところもカッコよくて、抱かれてみたいって思う」
夜9時にトシユキとケイゴの男二人と待ち合わせしていたからだ。
メイクをし直して、旅行バッグを開きながらネネは唐突に言った。
「私、今夜は帰らないから」
「帰らないって、どうするの?」
「トシくんの部屋に行く」
真剣な顔でそう言い放ち、ネネはメイク道具や最低限の着替えを小さなバッグに詰め直す。これは本気だ。
「え、私はどうなるの?」
つい母親に置いていかれる子どものような心境になった私は弱々しい声でネネに言った。
忙しく荷物を詰め替える手を止めて彼女は私を見る。
「好きにすれば? この部屋使ってもいいし」
「つ、使う……?」
「トシくんたちもツインの部屋なのかな? だったらケイゴくんの寝るところがないじゃない」
あっさりと言うネネの顔を私はまじまじと見つめた。
「私、別に彼とは……」
なぜか言葉がしどろもどろになる。私を見返すネネの顔から笑みが消えた。
「ぶっちゃけ、私はケイゴくんもいいって思った。いや、トシくんよりむしろケイゴくんのほうが好き。顔も好きだしシャイなところもカッコよくて、抱かれてみたいって思う」