One Night Lovers
「よし、いい男、探しに行こう!」

「探しに? なんで?」

「ルリ、今はお金だってそのへんには落ちていない時代だよ? 恋
だってそこらへんに落ちているわけないじゃない。向こうからやって来るのを待ってたら、私たちあっという間に賞味期限切れだよ」


 一気にまくし立てて、いきなりテンションをマックスまで上げたネネはニヤリと笑った。


「夏といえば、やっぱ避暑地でしょ!」


 よほど日々の事務仕事に疲れているのか、あるいは昨晩も一夜の恋を探しに出歩いていたのか、ネネは小さくいびきまでかいている。

 その寝顔を見ながら私は、それでもやっぱり占い師の言葉を信じたらバカを見るんじゃないかと思っていた。
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