One Night Lovers
途中賑やかな自社テーマソングを大音量で流す大型電器店の前を通る。
ショーウィンドウには液晶テレビが数台並べられ、テレビ番組が大画面に映し出されていた。
そういえば今夜はカジケンのドラマの日だ、と画面にデカデカと映る元彼のドアップを見て気がついた。
地デジとは恐ろしいもので、彼の毛穴すら見えそうだと眉をひそめる。
場面が切り替わったのでテレビから目を離すつもりだったが、その瞬間、自分の意志とは無関係に視線が画面に吸い込まれていた。
「ウソ……!」
シンジが振り返り「どうかしたの?」と声を掛けてきた。
でもその声は意識の上を素通りし、完全に立ち止まった私はただ画面を食い入るように見つめる。
そこには見覚えのあるライオンの鬣に似た髪型の金髪男が、ふらふらと軸のない足取りでこちらに向かって歩いてくる姿が映っていた。
「これは……どういうこと?」
私が知っている場面と決定的に違うのは、その金髪男がサングラスをかけていないということだろうか。
勿論、背景も違うし、コーラの缶も持っていないのだが。
シンジが私の隣まで来て、不思議そうにテレビの画面を覗き込んだ。
ショーウィンドウには液晶テレビが数台並べられ、テレビ番組が大画面に映し出されていた。
そういえば今夜はカジケンのドラマの日だ、と画面にデカデカと映る元彼のドアップを見て気がついた。
地デジとは恐ろしいもので、彼の毛穴すら見えそうだと眉をひそめる。
場面が切り替わったのでテレビから目を離すつもりだったが、その瞬間、自分の意志とは無関係に視線が画面に吸い込まれていた。
「ウソ……!」
シンジが振り返り「どうかしたの?」と声を掛けてきた。
でもその声は意識の上を素通りし、完全に立ち止まった私はただ画面を食い入るように見つめる。
そこには見覚えのあるライオンの鬣に似た髪型の金髪男が、ふらふらと軸のない足取りでこちらに向かって歩いてくる姿が映っていた。
「これは……どういうこと?」
私が知っている場面と決定的に違うのは、その金髪男がサングラスをかけていないということだろうか。
勿論、背景も違うし、コーラの缶も持っていないのだが。
シンジが私の隣まで来て、不思議そうにテレビの画面を覗き込んだ。