One Night Lovers
「でもずっとケイゴと連絡取れないって聞いたよ?」
「うん。それが恥ずかしい話なんだけど……」
ケイゴは本当に恥ずかしそうな顔で苦笑いした。
「ケータイの料金が未納で使えなくなってた」
「えー!? 忙しくて、じゃないの?」
「俺ね、正直に言うと少し前までは仕事が全然なかったんだ。だから今回、ドラマの仕事が決まって、マジで嬉しくてさ。それまでのバイト代とか全部使って旅行したわけ。そこでルリと出会った」
言うべき言葉が見つからなくて、黙ってフロントガラスから見える街並みを眺めた。
信号機の下の住所表示を見て、あれ、と思う。
「もうすぐうちの会社が見えるよ」
「うん。もうすぐ俺の家に着く」
「……え?」
目を見開いたまま運転席のケイゴの顔を見つめる。
彼の表情は穏やかなままで何を考えているのかさっぱりわからない。
しばらくすると車はマンション下の地下駐車場に入った。
見るからに新しいマンションだ。
新しい車に、新しいマンション……。
「ここ新築?」
車から降り、手招きするケイゴの隣に走り寄って小声で訊く。
ケイゴは笑って肯定する。
駐車場から直通のエレベーターで彼の部屋がある階まで上がった。
「まぁ、どうぞ」
言われるままに部屋に入る。
ここも新しい建物のにおいがする。
しかも開けっ放しのドアの向こうにはいくつかダンボールの箱が見えた。
「うん。それが恥ずかしい話なんだけど……」
ケイゴは本当に恥ずかしそうな顔で苦笑いした。
「ケータイの料金が未納で使えなくなってた」
「えー!? 忙しくて、じゃないの?」
「俺ね、正直に言うと少し前までは仕事が全然なかったんだ。だから今回、ドラマの仕事が決まって、マジで嬉しくてさ。それまでのバイト代とか全部使って旅行したわけ。そこでルリと出会った」
言うべき言葉が見つからなくて、黙ってフロントガラスから見える街並みを眺めた。
信号機の下の住所表示を見て、あれ、と思う。
「もうすぐうちの会社が見えるよ」
「うん。もうすぐ俺の家に着く」
「……え?」
目を見開いたまま運転席のケイゴの顔を見つめる。
彼の表情は穏やかなままで何を考えているのかさっぱりわからない。
しばらくすると車はマンション下の地下駐車場に入った。
見るからに新しいマンションだ。
新しい車に、新しいマンション……。
「ここ新築?」
車から降り、手招きするケイゴの隣に走り寄って小声で訊く。
ケイゴは笑って肯定する。
駐車場から直通のエレベーターで彼の部屋がある階まで上がった。
「まぁ、どうぞ」
言われるままに部屋に入る。
ここも新しい建物のにおいがする。
しかも開けっ放しのドアの向こうにはいくつかダンボールの箱が見えた。