神様のイジワル
「私にはムリっ!!もう…優心なしじゃ生きていけないっ…!!」
テーブルをおもいっきりたたき、玄関へ走り出した。
そのまま私は家を飛び出し、ひたすら走り続けた。
脳裏には、テーブルをたたいたときに、少しビックリしていた父の顔が浮かび上がった。
…なんでこういう時にお父さんの顔なんか浮かんでくんのよ…
ずっと走り続け、気づいたら、思い出の場所に辿り着いていた。
―――――そう、海――
また同じことを繰り返すのか…
でも、優心がいないと、私はもう生きていけない――
冷たい海の水の中に再び足を踏み入れようとした。
『簡単に命投げるようなことすんなよな』
―――え――――――?
頭の中でこだまする声。
優心だ…
『誰も望んじゃいねぇ』
先生がいないと生きていけないと泣き、この海最後にしようと心に決めたときに、助けに来てくれた優心から言われた言葉だった。
そっか……
優心もこの事実と向き合っているのか…
いつでも優心は私のひとつ先を歩いているな…
初めて会ったときから、優心は強かった。
自分も真実と向き合わなきゃ…
ここで、優心とは終わりにしないと…
始まったこの場所で、
終わりにしよう――――