神様のイジワル
どれくらいだったのだろう…。
辺りは真っ暗になっていた。
でも、この前のような孤独て、寂しいわけじゃない。
2人が出会った海にいて、
隣には私の愛する優心がいる。
それだけでもう、十分だった。
それだけで…
「優心!!や…やっぱり私達、わか…別れよう。…うん、別れなきゃ。」
涙声、涙目になりながらも、笑顔で優心に話しかけたつもりだった。
優心は私のほうを見ようともしない。
どこか、水平線の果ての一点をぼんやりと眺めていた。
聞いてるのかな?と不安になりながらも、話を続けた。
「これからはさ、姉弟として仲良くしていこ!事実は事実で受け止めなきゃいけないし…」
お姉ちゃんとして、お姉ちゃんらしく、振る舞ったつもりだった……
けど優心は私の話を全て打ち消した。
「やだ、俺は。紗那と姉弟としてやってくとか、もう無理。俺は紗那のことが本気で好きなんだ……」
――――"スキ"――――――
今までなら聞いてすごく嬉しかった言葉。
でも、今ではもう―――切ないだけ。
「でも、やっぱりムリだよ。これからは――」
「紗那はそれでいいのかよ!?俺達の愛ってそんくらいだったの!?」
感情を抑えきれなくなった優心は私に言葉をぶつけた。
「俺はやだ。紗那が別れるって言うならもう会わない。全て忘れるために。」
え――――?
あわない……?