叶わぬ恋
「気が付いたんか?」
「…誰?死神?悪魔?天使?」
「あんた、大丈夫か?俺は壬生浪士組監査、山崎丞や。」
「何で、あたし生きてるの?」
「君面白いね。普通の女子なら、血相かいて逃げるのに。」
「なんで?」
「君、壬生浪士組って知らないの?」
「知ってる。幕府の狗でしょ?後の新撰組。第一にこの平成の世に壬生浪士組なんて居るはずない。おふざけは、いい加減にしたら?」
「君こそ、いい加減にしたら?平成?今は文永3年。江戸時代だよ。」
「江戸時代?」
よく、男共の服装を見ると袴に刀を2本。
「…本当に江戸時代?ここ、地獄?」
「地獄じゃなくて、京都。」
まさかの、タイムスリップってやつ?
「僕は、壬生浪士組副長勤務の沖田総司。君は?」
「神崎、由希。」
「で、どこの間者かな?」
「間者?笑わせないで。あたしは間者じゃない。未来から来た普通の女。」
「未来から?君、やっぱり頭打った?」
「頭打ってない。服装みればわかるでしょ?こんな服この時代にないもの。」
「信じてもよろしいのではないか?」
「一くん。近藤さんも。」
「おい!」
「あー居たんですか。土方さん。」
「ったりめぇだろ!」
「お前、名は?」
「神崎、由希。15歳。」
「神崎。なぜお前は滅星神社の前に倒れていた?」
「知らない。気が付いたら、江戸時代に居た。」
「お前、どこの藩の女だ?」
「今から300年ぐらい後の江戸。」
「はぁ?」
「あたし、時空越えたみたい。」
「越えたみたいって…お前は阿呆か!」
「違う。」