貴方の幽霊祓います。
第一章
新しい学校
いた。
あっ、こっちにも。
あっちにもいるじゃない!
どこを見たって、血色の悪く透けている人が必ず1人いる。
世間では、その人達を“幽霊”と呼ぶらしい。
あたしの夢は幽霊と結婚することだ。
だから、幽霊が多いというこの地に引っ越してきた。
だが、神様はあたしに最悪なものを授けた。
それは。
「(早速そこの幽霊をナンパするか!)」
へぇーい、と言いながら幽霊の肩に手を乗せる。
すると幽霊は顔を歪め、砂のように消えていった。
そう、あたしは幽霊に触れると祓っちゃう体質なんです。
なんてことでしょう。
幽霊さんと結婚まで夢見ているのに、触れることすら敵わないなんて。
ですが、ほんのちょっとの奇跡を願い、ここで1人暮らし生活をスタートさせます。