貴方の幽霊祓います。
担当の合図となる声を聞き、あたしは新しい教室に足を踏み入れた。
その教室には驚きの光景があった。
教室で1人だけ顔を伏せてる男の子がいた。
その男の子には、恐ろしいほどの幽霊が取り付いていた。
それは数え切れないほどに。あれは流石に死ぬだろ...。
あたしの身体は勝手にその子の方へ向かっていて。
「お前は何人の恨みを買ってるんだ!」
と言いながら男の子の腕に触り、幽霊を祓っていた。
愛すべき幽霊だが、いいんだ。イケメンの幽霊はいなかったからな。
頭が冷静を取り戻した時、大きな後悔をした。
「...古金井、自己紹介いいか?」
「は、はい...。」
それは、クラスみんなからの期待の眼差しは、一瞬で冷めた眼差しに変わったから。
信頼がどうのこうのの前に失望されてしまった以上、これから更に頑張るしかないな、と心に誓った。