貴方の幽霊祓います。
その日の放課後、幽霊まみれだった男の子に話掛けられた。
「えっと、古金井っていったっけ?お前何者だっ」
放課後まで今朝のブルーな気持ちを引きずっていたあたしは、教室で1人残っていたとき不意に声を掛けられた。
「え、初対面相手に何者って...怖っ!」
「初対面で何人の恨みを買ってる、とかって言う方が怖いわっ!」
おぉ、ナイスツッコミ。
「だって、アンタめっちゃ取り付かれてたもの。」
大量な幽霊に取り付かれてたから、普通に幽霊が見えるかと思いきやそうではなかった。
「やっぱりな。鏡の前でよく見た、あの血色の悪い人達は幽霊だったのか。」
この人は鏡がなきゃ、幽霊が見えないらしい。
「俺は、木川蓮次。宜しくな。」
木川...よし、覚えた!
あたしの自己紹介を改めてしようと思って口を開いたが、違う言葉が出た。
「...アンタは幽霊にどんだけ好かれてるのよ!」
そうもなるだろう。今朝大量に払ったばかりなのに、再び取り付かれて木川は肩を押さえている。
木川が肩を押さえている意味は、恐らく取り付いている幽霊が肩に大きなダメージを背負い死んだ形跡があるからだ。
あたしは手っ取り早く、木川に触ることによって祓うことに成功した。
まぁ、失敗は絶対ないと思うが。