貴方の幽霊祓います。
ちょっと待てよ。
あたしはイケメン幽霊と結婚したい。が、触れると成仏してしまう幽霊は、木川にめっちゃ取り付く。
「あたしらいいコンビになりそう!」
「何がだよ。」
心の声が口から出てしまったようで、適当にメンゴッ、と言って木川を軽くスルーした。
あ、よし。この際だし木川のあだ名でも付けよう。
だってほら、あたしは木川、に取り付く幽霊を求めているし、木川も厄介な幽霊を祓ってくれるあたしが必要。
つまり、あたしたちはお互いの体質を求め合っているのよ。
恐らく明日から木川とあたしは一緒に行動すると思う。否、あたしが木川から離れないだけだが。イケメン幽霊のため、木川の背後の観察はずっとしていたいんだ。
考えがズレた。あだ名だよ、あだ名。
木川...、幽霊に取り付かれやすい、ヘタレっぽい、顔はなんかウザいほどイケメン。
あっ、なんだっけ。ベトベトしてて、置くだけでゴキブリが取れちゃうやつ。
ゴキブリ...とりんちょ?
いや、そんな可愛くないはず。
あっ!
「ゴキブリホイホイ!」
つい木川に指を向けて言ってしまった。
「俺は列記とした人間であり、あんな黒光りして潰すと変な液体を出す生き物と認めたくないようなGの名前を出すな!」
必死な木川をおいて、思い出したゴキブリホイホイの“ホイホイ”の部分を使って。
「君のあだ名は、幽霊ホイホイだ!」
――――ゴツッ
無言で冷たく怒る木川。何となくコイツの性格が掴めた気がする。
「痛いじゃんかっホイ君!」
「それが当たり前、みたいな乗りで普通に呼ぶな!」
あたしの家族へ
新しい学校生活は
楽しくなりそうです。