最初で最後のKiss☆
たどり着いたのは、階段の片隅。

分かっていた

達矢の気持ちが、自分に向いてない事も。

でも、

でも、

いざ、達矢の口から聞くと胸が裂けそうで

苦しくて

涙が止まらなかった。

そうあたしは、達矢のただの幼馴染でしかなかった。

あたしは、恋愛対象でもなかった。

あたしの片思いは、終ったのだ。

泣いて泣いて、涙が止まらなくて結局授業に出れなかった。

戻って来た、美華に早退するとだけ伝えて家に帰った。




一人ぼっちの家の中で、達矢の言葉を思い出す。

『それは、・・・美華なんだ』

「はぁ・・・」

失恋がこんなにも、あたしを苦しめるなんて思ってなかった。

何もやる気が起きなくて、自室のベッドで寝ることにした。




ピンポーン

チャイムの音で、目を覚ました。

「はい」

「大丈夫?お見舞いに来たよ」

来たのは、美華


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