いわなくたって、伝わってるよ*短編*
少しの沈黙があった
でもこの沈黙を気まずいとは思わない
「……お前、
なんかあった?」
私は少しだけ目を見開いた
「なにー、いきなり!なんにもないけど?」
また沈黙…
だけど今度の沈黙は私を何か探っているかのようで
…なんだか気まずい
「お前俺を騙せると思ってんの?」
「……思わない」
「じゃあなんで隠す?」
なんだか安心する低い声に誘われて
私の目尻から涙が零れた
気まずいと思ったのは私に心当たりがあったからで
「なんでもないって言ってるのに……
…なんでばれちゃうかな、
ばかあ…うぅー我慢してたのに…!」