変態教師と私。【完】
この高校の卒業生なら、どんな生徒が居るかわかってる筈なのに。

…ご丁寧な人だ。

と、思ってたけど。



「――人の話を聞けないのか」



低い声で、そう呟いた。

「あ…?」と、声を揃えたヤツらに挫けず、睨みを凝らす穣さん。

この人、絶対に問題児だっただろう。



「俺ら担任に逆らうな。場合によっては、シメる。わかったな」



敵に回したら面倒なタイプかも。

穣さんの前では、大人しくしておこう。



「クラス委員、誰だ」



「私とトモでーす」



平常通りに戻った穣さんの質問に、私は手を上げながら答えた。
< 10 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop