変態教師と私。【完】
「…言え、心愛」



「…何を…」



「隠してる事」



私たちに近付いて来た兄貴が、私を睨む。

言えない。

言ったら、死ぬも同然。

笑って生きられるなら、言わずに居て。

愛玲菜と一緒に居れる幸せだけを感じて生きるよ。



「…心愛。俺に話せないのか?」



「……」



「俺が、絶対に守るから」



濱浦の真っ直ぐな瞳。

力強い声に、頷くしかなかった。

トモの事。

小鳥崎唯史の事について話して行くと、兄貴と濱浦の顔色が変わった。

目付きも鋭くなり。

濱浦に至っては、私をも写さないような、漆黒の瞳。
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