変態教師と私。【完】
血のついた私の拳を開いた濱浦は、そっと手を繋いでくれた。

意識が朦朧(もうろう)としてる兄貴は、担架で救急車に乗せられる。



「知崇!リビングのテーブルから車の鍵を持って来い!」



「…はいっ」



トモが走って行く背中を見てると、私は救急車へ押し込まれた。



「家族はお前だ。先に行け」



「でも…っ」



「すぐに行く。俺は、お前を信じてる。だから、心愛も俺を信じろ」



「すいません、閉めます!」



ドアが閉められてしまった。

私は簡易的なベンチに座り、酸素マスクをされてる兄貴を見た。
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