変態教師と私。【完】
―弘樹 SIDE―



涼しい風が吹く屋上。



「まさか、弘樹君とここで会うなんて…皮肉よね」



「俺も、田崎ータサキー先生が江上のお母さんとは知りませんでしたよ。名簿を見ても全く」



俺は、主治医である心愛の母親、田崎先生と海に沈み行く夕陽を見た。

本当にまさかだった。

心愛の母親が、精神科の医者なんて。



「旧姓のままだったからね。お陰で仕事に私情を挟まなくて済むんだけど」



舌を出して笑った田崎先生は、俺を恨んでないのだろうか。

それとも、落ち込む俺は、患者に見えてるのか。
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