変態教師と私。【完】
嬉しくても、喜べなくなった。



「心愛…」



ぎゅっと抱き締められ、久しぶりの事で戸惑う。

さっきから、急展開なんだって。



「会いたかったんだからな」



「…それは、濱浦だけじゃない」



私だって、会いたかった。

CMや記者会見の映像なんて、遠くに感じる道具で。

冷たさしか感じない。



「今日からでも、一緒に暮らしたい」



「どうしよっかなぁ…(笑)」



濱浦の背中に腕を回し、更に近付けば、懐かしい香りが鼻を掠める。

忘れてなかったんだ。

もう、嗅げないと思ってたのに。
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