変態教師と私。【完】
「私は…この5年間、仕事よりも愛玲菜を優先して来た。最近は特に」



職場である歯医者が改装で、2ヶ月間、休みになった事もあるけど。



「でも、その5年間は、弘樹君を忘れようとした時間だったからでしょう。もう、自分の時間を持ちなさい!!」



「…私の時間て何…」



母親の最後の一言は、私に怒りと寂しさを覚えさせた。

確かに、濱浦を忘れようとした。

でも再会して、自分の居場所を再確認した。

…だけど…。



「愛玲菜を今日まで誰よりも見て、育てて来たの。なのに…あんまりじゃない?愛玲菜が居たから、私は5年もの月日を過ごせて来たの!!」



母親は、わかってくれてると思ったのに。
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