変態教師と私。【完】
近所の人には、親戚の子と言ってある。

真実は、私たち家族が知ってれば良い。



「たく…コンビニが遠いよ」



早く車の免許が取りたいよ。

兄貴は4月が誕生日で、あっという間に取っちゃったし。

私は来年の7月。

先は長いし、学校にバレたら、また煩そう。



「……」



そんな時、見覚えのあるフェラーリが通り過ぎた。

前に進むか迷う。



「ママっ…?」



けど、愛玲菜がそう言った瞬間。

ママではないけど、嬉しくて。

濱浦のあの瞳を思い出し、涙が込み上げた。



「行こっか…」



気付かないフリをして歩けば良いんだ。
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